顛末
医療広告ガイドラインが施行されて1年経った。
では世の中の医療系サイトが全部ガイドラインに則った形に変わったかと言われれば全くそうではない。
ただし、ガイドラインに抵触している場合の修正指示は多くの医院に届くようになっているようだ。
多いのはインプラント審美系の保険外治療で特に揉めやすい系のようである。
さて、今回医療広告ガイドラインに抵触しているからサイトの修正指示が来た歯科医院。
実は世界的にも有名な大家。
で大量にフォロワーがいるFBにそれを批判的に流してしまった所、一杯釣れてしまったというのが今回の顛末である。
実際のFBの投稿
ご丁寧に英語までつけてくれて外国にまで報告してしまったわけだが・・・。
医療広告ガイドラインとは
医療広告ガイドラインについては私も3回ブログを書いている。
ガイドラインが施行されるぞ!ということで自分も興味があった。
他にも医療コンサルやweb系の方が書いた分かりやすいブログも多い
弁護士さんの見解もある。
FBの内容やコメントを見ていて思ったのだが、
医療広告ガイドラインとは、
医療知識のない患者と医院において保険外治療でトラブルが多発しないように過度な表現を一定のルールで規制しますよ
という消費者保護の観点から作られた物である
ということをおそらく理解していない。
保険外治療にもメリットとデメリットがある
だからちゃんと記載しなさい
日本の薬事を通っていない材料を使うならちゃんと入手経路や材料の詳細を書きなさい
とかそういうことであって
保険外治療が駄目だから保険にしろっていうのか!!
俺が食えなくなって良いのか!!
俺の治療を否定するのか?
という問題ではない。
誤解を生む可能性がある表現があるので修正して下さい。
というあくまでサイトの内容に関する話である。
実際みてみるとガイドラインに使用が禁止されている
「最先端」
といった表記や問題があると思われる表現が認められた。
ガイドラインに抵触している事は間違いない。
しかし、大体はそれほど大きな問題ではなく修正はそれほど大変ではないと私は考えている。
レフリー3人全員にボッコボコにされた論文の査読なんかよりよっぽどまし。
だから、特にアクションも起こさなかったわけだが、今結構大きな話のネタになってしまっている。
なぜかというとコメント欄がさらに火をつけた感じだからだ。
理解出来ないコメント欄
ガリレオの裁判・・・・
スーパーカーに乗っているから日本の公道を200kmで走っていいか?と聞かれてyesと答える人は少ないだろう。
自分はスーパーカーだから日本の公道を200kmで走るよ、
と宣言しているように私には見えるのだが、
誰も否定せず、むしろ同情、賞賛しているようにみえるのは何故だろうか?
コメント欄の先生方、医療広告ガイドラインを全く理解していないのではないだろうか?・・・・。
日頃歯科の勉強に忙しすぎてそこまで手が回らなかったんですよね?そうですよね?
次のページで趣ががらっと変わる。
1人の先生が、私と同じ意見のようで指摘してくれている。
ありがたや・・・。
このコメント欄はまだ伸びていくものだろうから、引き続き注視していこうと思う。
「無視すればいい」、というのがあったけど、無視し続けると以下のような事になるかもしれないので注意して頂きたい。
立ち入り検査なんてされたら大変ではないですかね。
ア 行政指導
まずは違反しているのを見つけたら医院に説明を求める等の調査が行われる。
この段階で明らかに違反した広告の場合中止命令等が出される。
また、この広告を製作した医師以外の業種にも調査や指導が行われる。
任意の調査に応じない場合はイに進む。
イ 報告命令または立ち入り検査
ウ 中止命令または是正命令
行政指導に従わない、違反を繰り返す悪質な場合は期間を定めて広告を中止し、その内容を是正するように命じる。
エ 告発
① 直接罰の適用される虚偽広告(法第6条の5第1項違反)を行った者が中止若しくは内容の是正の行政指導に応じない場合
② 法第6条の8第1項による報告命令に対して、報告を怠り、若しくは虚偽の報告をした場合
③ 同項による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
④ 同条第2項による中止命令若しくは是正命令に従わず、違反広告が是正されない場合には、刑事訴訟法(昭和23 年法律第131 号)第239 条第2項の規定により、司法警察員に対
して書面により告発を行うことを考慮すべきである。
なお、罰則については、①の虚偽広告、法第6条の6第4項に違反する場合(麻酔科の診療科名を広告する際に、併せて許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなかった場合)又は④の中止命令若しくは是正命令に従わなかった場合には、6月以下の懲役又は30 万円以下の罰金(法第87 条第1号)、②の報告命令又は③の立入検査に対する違反の場合には、20 万円以下の罰金(法第89 条第2号)が適用される。オ 行政処分
病院又は診療所が悪質な違反広告を行った場合には、エに示した告発のほか、行政処分として、必要に応じ法第28 条の規定に基づく管理者変更命令又は法第29 条第1項第4号に該当するとして、同項の規定による病院又は診療所の開設の許可の取り消し、又は開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることが可能である
web業界の人達の目にとまる
私達がざわざわしてきたので、医療系web界隈の人達がそれを聞きつけてこぞってFBをチェックするようになっている。
医療系web界隈の方々はデロイト トーマツがどれだけ大きな法人か知ってるしガイドラインを熟知している。
なのでこのコメント欄の方々や、コメント欄を素直に信じた人達と全く異なる解釈をしている。ちなみに私も歯科医師だがこっち側である。
実際ガイドラインの専門の方によってサイトの問題点に関する解析も行われた。
https://maguideline.haisha-yoyaku.net/2019/09/30/hitei/
これ、普通ならお金を払ってやってもらう内容だと思う。
今現在のまとめ
弁護士に依頼されたという話だが、弁護士さんも、
言われたとおり修正しましょうね
という事になるのではないだろうか・・・。
だってルールだから。
残念だが
スピード違反をしたが
「俺はF1ドライバーだから!」
「この人はF1ドライバーですよ!むしろそっちに非があるでしょ!」
「他の人の運転がもっと酷いからそいつらをしょっぴけ!!」
という会話をFBでしている風に私には思えた。
医院のサイトは今は広告として扱われており、一定のルールに基づいての運用が義務づけられている。
そのルールの根本が医療広告ガイドラインである。
残念だが、この国の将来とか憂う前に自分の歯科医院のサイトを見直すべきかと思う。
コメント欄に出ている先生方の歯科医院のサイトに関してお持ちの方は全てチェックさせて頂いた。
そのうちご自分にも来ますよ、多分、という方、いらっしゃいますね。
医療系web業界の方々、ガイドライン違反に厳しいですからね。
色々な方に全部チェックされていると思いますよ・・・・
追記(2019/10/02)
この件に関してサイトを解析した方が新しいブログを出しました。
このブログは歯科でサイトを持っている方には是非読んで頂きたい内容です。
歯科は自由診療と切り離せないので非常に重要です。
さらにもう1本